放課後、美術室。
いつもは集まりの悪い美術部だが。モデルが来る日だけは別だった。
早くから男性16人、女性14人の美術部全部員が集まり、
今回のヌードモデルである佳子が来るのを今かと待ち構えていた。
部室の扉が開き、姉こと佳子が入ってくる。
30人の部員たちは待ってましたとばかりに入ってきた佳子に注目した。
部員たちが注目したのは佳子の顔。そして制服の下はノーパンノーブラである身体のライン。
写真よりやや気が強そうな顔立ちと、予想以上のスタイルの良さに部員たちは満足気な雰囲気を見せる。
佳子は意外と多い部員数と体を舐め回すような暴力的な視線に、少し戸惑いを見せながらも、黒板前にいる部長のもとへと歩いていく。
「白鳥、呼ばれたから来たわよ。で、私はなにすればいいわけ」
佳子はスカートを気にしながらも、確かな敵意を持って部長を睨みつけた。
その姿はこれから裸になる生徒とはとても思えない。
まるで今から部長相手に喧嘩を始めようとする女の姿だった。
部長はやってきた宿敵の姿に満足し、
「いらっしゃい。待っていたわよ。あら、スカートを手で抑えたりしてどうしたの」
と余裕綽々な顔で答える。
「あんたが今日は下着を着けるなと言ったからでしょう。ふざけないで」
「あら、ごめんなさい。ノーパンで歩くなんて慣れたものだと思っていたわ。
それじゃ、早速で悪いんだけどそこの別室で着替えてちょーだい」
「別室?」
佳子は部長が指をさした方角を見る。
そこは美術室から直接繋がった道具部屋で部員の着替えにも使っている部屋だった。
「着替えと言っても中に置いてある白いバスローブを一枚着るだけですよ。後は全て脱いでください。私達は佳子ちゃんの制服姿には興味ないんですから早く準備してくださいねー」
部長の小馬鹿にしたような言い草に、佳子の目つきはみるみるうちに釣り上がって行く。
手は固く握られ、殴りかかる寸前という雰囲気だった。
「ふん」
佳子は一言、二言、部長に何やら囁いたと思ったら隣の部屋へと歩いていく。
扉を開け、彼女が中に入ると扉がバンと凄い音をたてながら勢い良く閉まった。
佳子がいなくなると部室内に漂っていたなんとも言えない緊張感が消える。
「はぁぁ〜、びっくりしたな、取っ組み合いの喧嘩が始まるかと思ったぜ。部長と同じクラスの生徒だとは聞いていたけど、まさかこんな関係だったとは驚いたよ」
一人の男子が呆れたように話す。
今の受け答えを見れば、誰もがあの2人の関係に気がつく。
そもそもクラスメートをわざわざ指名して裸にしようと言うんだから仲がいいわけがない。
少し考えれば分かることだった。
突然、別室の扉が開く。
大きな白いバスローブを着た佳子が、手でローブの合わせ部を抑えながら歩いてくる。
合わせ部から地肌が見えることを嫌っているような手の動きだった。
そのまま部長の前に立つ佳子。
「白鳥。バスローブのヒモがないんだけど、どういうこと?」
言われてみれば確かに付けられていない。
バスローブは濡れた体を一時的に覆うだけの簡易的な服だ。
閉じるヒモがなければすぐ前がはだけてしまう構造でしか無い。
「すぐ脱ぐんだからヒモなんていらないでしょう。バスローブが用意してあっただけありがたく思いなさい。本当なら別室で着替えなんかせず、この場で脱いで欲しかったぐらいなんだからさ」
バスローブの合わせ部を必死に隠す佳子の行動をあざ笑うがごとくに部長は楽しそうに話す。
部長にとって今の佳子はライバルでも宿敵でもない。
ただ、全裸になることを運命づけられた哀れな女。もとい、生贄でしかなかった。
「こんなことで勝ったと思わないでよ。私は貴方を絶対に許さない」
佳子は眼の力だけで人を殺せるんじゃないのかと思う程の強い目力で部長を睨みつけた。
「いいえ、もう終わりよ。人間はプライドをズタズタにされても反抗できる生き物ではないのよ。
今、あんたを支えているのは、その薄っぺらいバスローブだけ。今からそれを証明してあげる」
部長は1つ深呼吸をし、ずっと言いたかった台詞を言う。
「福留佳子。今すぐそのバスローブを取り、全裸になりなさい」
なぜか部長は佳子のことをフルネームで言った。
脱がすものと、脱がされるものの立場の違いをはっきりされる意図があったのかわからないが、
この台詞は佳子のプライドを更に傷つける効果があった。
佳子は目を一度大きく広げて、びくりと身を震わす。
覚悟していたとはいえ、、宿敵から裸になれと命じられる衝撃は予想以上だった。
ショックで体はガタガタと震え、顔色がみるみるうちに青ざめる。
部長からのプレッシャーに耐え切れなくなった佳子は、視線を外し他の部員たちがいる方向を見た。
部員たちはみな血走った目で佳子を見ていた。
隆は姉の絶望的な状況に、何も出来なかった。
一瞬、声をかけようと思ったが、何を話せばいいのか。
今、隆に出来ることは、姉が裸になるのを見守ることしかなかった。
「なにしているの。あなただって裸になることを納得してここに来たんでしょう。早く脱ぎなさい」
部長が催促をする。
「わ、わかっているわよ」
納得なんてしていないが覚悟はしてきたつもりだった。
佳子はゆっくりと部員たちのほうを向く。
必死に隠していた手をずらし、バスローブの前を肌蹴させる。
ローブの隙間から真っ白な肌が見える。
バスローブとの色の差のせいがその肌はとても綺麗に見えた。
次にローブの右肩をずらし左肩もずらす。
前がはだけて胸の谷間がはっきり分かるほど露出する。
「ごくん」
肩がむき出しになると生徒の誰か生唾を飲み込む。
教室に緊張が走る。いよいよだと誰もが思った。
肩から外され、引っかかるものが無くなったバスローブはストンと床に落ちる。
そして、佳子の裸が全部員たちの前に晒された。
部室の明るい蛍光灯に照らされ、まるで周りから浮きあがるような佳子の白い体。
大きくはないが、形の良い乳房の膨らみ。
厭らしくやわらかな体の曲線。キュと締まった腰。
白くスラっとした太腿。女性の柔らかさが感じられる綺麗な足。
既に数多くの女子生徒の裸を見ていた美術部員ですら、まばゆいばかりの佳子の裸に言葉を失う。
静まり返る部室。
誰もが佳子の裸に見とれていた。
それは今からこの体を自由に眺め好きなように書ける喜び。
美術部員の心が一体となった瞬間だった。
裸体を晒し部員の視線を一手に浴びている佳子はピクリとも動かない。
手で身体を隠すといったこともしない。裸体の全てを晒したまま立ち尽くしている。
まるでバスローブを落とした時から時が止まっているかのような雰囲気だった。
表情も先ほどまでの激怒は何処へやら。まるで人形のような無表情な顔をしていた。
部長は床に落としたバスローブを拾う。
佳子の温もりが残るバスローブを手に持った時、部長は一種の性的興奮を感じていた。
もちろん恋愛感情ではない。一種のマゾ思考。
勝利者のみが味わえる女のオーガズムであった。
「佳子、どうしたの。足が震えているわよ」
部長は、ぼーとしている佳子に話しかける。
こんな状態でモデルをやらせてもおもしろくない。
あくまで普段と同じ状態でやらせなくては意味がないと思い、部長は少し大きな声で言った。
「だ、大丈夫よ。こんなことぐらいなんともないわ」
佳子は部長の思惑に気がつくことなく、気をしっかり保たせようと首を数回振る。
部長に弱音を見せたくない。今の佳子を支えているのはその思いだけだった。
露出少女日記総集編2冊目 220円 |
forr / 2014年12月01日