曝されたお尻 01


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 晒されたお尻
 
 少子化が進み、子供がすっかり減ったこんな田舎町の小学校も朝は賑やかだ。
 生徒の誰もが笑顔で登校し、笑い声もあちらこちらから聞こえる。
 それは今年で小学六年になった男子生徒、田中悠斗も例外ではなかった。
 どこかませガキな雰囲気を持つ悠斗は楽しそうな表情をしながら校門を走りぬける。

「お、あのツインテールは緑子だな」
 悠斗は前方に歩くツインテールの髪型をした女の子を発見しニヤリと笑う。
 女子こと緑子はまだ悠斗の気配に気がついていないらしく、こちらを見向きもしない。

 今日こそ行けると判断した悠斗は足音を消しながら素早く緑子の背後に迫る。
 あと少しで手が届く範囲。彼女はまだ気が付かない。
 よし!とばかりに悠斗は可愛いスカートの裾を後ろから掴もうとするが。
「甘い」
 緑子はツインテールを靡かせながら器用に体を左回転させて悠斗の手を躱す。
 掴もうとした物体が突然無くなり、悠斗の体はバランスを崩し見るも無残に倒れ込む。

「いてて」
 顔面を思いっきりグラウンドに打ち付ける悠斗。

「まったく、毎朝毎朝いい加減にしてよね。六年にもなってスカートめくりとは何を考えているのよ」
 緑子は座り込んだ悠斗の前で仁王立ちのポーズを取りながら問い詰める。

「だって後は緑子のパンツを見ればオールコンプリートなんだぜ。やらないわけにはいかんだろ」

「なにそれ」
「エッチ、痴漢」
 近くで様子を見ていた同じクラスの女子が一斉に批判の声を上げる。

「うるせえ。この苺パンツに白パンツに熊さんパンツが。お前たちのパンツはもう見たんだから黙っていろ」
 悠斗が意味不明な開き直りをする。
 それを聞き顔を真っ赤にし黙りこくる女子たち。
 どうやら捲られた当時の恥ずかしさを思い出したようだ。

「ほら、あんなアホはほっといて、もう行こ」
 緑子が半泣きになっているクラスメートの女子を連れて立ち去ろうとする。

「明日こそお前のパンツを見てやるから覚悟しておけ」
 去っていく緑子の背中を指差しながら悠斗は大声で宣言した。

「勝手に言ってろ。バーカ」
 緑子が振り向きもせずぶっきらぼうに返事をする。

 女子にとって悠斗がやるこの朝の遊び。すなわちスカートめくりは頭痛の種になっていた。
 度重なる被害に耐えかねたクラスの女子は団結して防御しようとあの手この手を駆使した。
 登校する時は一人にならない。スカートを履かない。下にスパッツを履く。
 数々の対策が試されたが、悠斗の技術の前には全てが無駄だった。
 なにしろ、ズボンを履いていても一瞬のうちに足首まで下ろすのだからどうしようもない。
 そんな悠斗と女子との攻防が一ヶ月ほど続き、結局緑子だけが最後に残った。
 緑子は悠斗を挑発するように毎日短めのスカートを履き登校を続けた。
 まるでめくれるものなら、めくってみろと言わんばかりに。
 バカされたと思った悠斗は意地になって、緑子のスカートを捲ろうとする。
 しかし三週間経った今でもその下着が白昼に晒されることはなかった。

「悠斗、今日は惜しかったな。スカートに手が届いていたではないか」
「そうそう。あと少しだったぞ」
 こっそりと集まっていたクラスの男子が喝采の目で悠斗を見る。
 クラスの男子にとって悠斗のスカートめくり勝負は朝の名物行事になっていた。

「くっそ。明日こそ決めるぜ」
 周りから持ち上げられて気を良くした悠斗はガッツポーズを取りながらそう宣言した。
 実のところスカートをめくるだけならいつでも出来た。
 いくら緑子の警戒心が強いとはいえ学校にいる一日中警戒し続けれるはずもない。
 だが、それでは面白くない。朝の短い時間。相手も警戒しているこの時間を狙ってめくってこそ価値がある。
 彼にはよくわからないポリシーがあり、これは一種のこだわりだった。

 

 朝の騒ぎから30分後。
 普段なら授業が始まっているはずの悠斗のクラスはただならぬ空気包まれていた。

「つまり、また家に忘れてきたということですね」
 このクラスの担任である女教師が冷たい声で緑子に問いかける
「はい」
 教室内で一人立つ緑子ははっきりとした声で忘れたことを認めた
 普段から気が強く物事を誤魔化さない緑子らしい姿だった。

「前回は許しましたが今回は許しません。バツを与えます。黒板の前まで来なさい」
 それを聞き教室内に緊張が走る。
 生徒たちは一斉に緑子の顔を見た。
 彼女は唇を噛み締め、悔しそうに顔を歪ませている。
 無理もなかった。女教師が与える罰とはこのクラスの名物であるお尻叩きなのだから。

 緑子は言われたまま黒板近くで立っている女教師のそばまで行く。
 そしてそっと手を黒板につけ、腰を曲げ、クラスメートたちが座るほうを目掛けてお尻を突き出す。

 女教師が緑子の横に寄る。
 いつもならここで男子のズボンとパンツをまとめて下ろすが女子の場合はどうなのか。
 それは生徒の誰にもわからなかった。
 なぜなら、このバツを受けた女子はこれまでいなかったからだ。
 
 先生の右手が緑子の右腰部分にある紺色のスカートのファスナーを掴む
 チチチ。とても小さな音をたてながらゆっくりと下ろされる。
 生徒たちはどこか辛そうな顔をしながら確信した。
 やはり罰の内容は男子も女子も同じ。下を全部脱がしてお尻を直接叩くのだと。

 脱がされることは覚悟していたのか、緑子は自分のスカートのファスナーを下ろされてもピクリともしない
 ただ黙って女教師のやることを受け入れていた。
 
 女教師が続けてスカートのホックを外そうとする。
「あ」
 その時、悠斗が小さな声を上げる。
 彼は見てしまった。先ほど下ろされたファスナーの隙間から見える白いパンツらしきものを。

「やめろ」
 静まり返った教室に悠斗の大声が響き渡る。

「悠斗?」
 思いがけない味方の登場に驚きの表情で振り向く緑子。

「先生、許してやってくれよ。緑子も反省しているからこんなところで尻叩きだけはやめてくれ。このとおりだ」
 悠斗は我慢ならなかった。こんなところで緑子の下着が晒されてしまうことに。

 静まり返る教室。
 女教師と悠斗の間に緊張が走る。

「田中。六年生になった時に罰はお尻叩きだといいましたよね。なんで半年もたった今になってそんなこというのですか。田中だってもう何回も叩かれたでしょう」
 女教師が冷たい声で話す。
 40すぎで次期教頭と言われるだけの迫力がそこにはあった。

「俺はいくら叩かれてもいいから女子は勘弁してやってくれ。こんなところで脱がされるなんて可愛そうだ」
 悠斗の行動を見て意外そうな顔をする女子たち。
 散々女子のスカートをめくって恥ずかしい思いをさせてきた張本人が可哀想と言って女子を助けようとする。
 一体どういうつもりなのかと。

 女教師が軽くため息を付く。
 そしてこれが答えと言わんばかりに緑子のスカートを強引に足首まで下げる。
 するとピンク色の小さな花がらが散りばめられた白いパンツが丸出しなった

「あぁぁ」
 教室のどよめきとともに声にもならない緑子の悲痛な叫びが教室に響き渡ったような気がした。
 それを裏付けるがごとく緑子の耳が真っ赤に染まり、白かった太腿もみるみるうちに赤くなっていく。
 
「なんてことを」
 悠斗は怒りの表情を見せながらも晒されたお尻から目が離せなかった。
 無論、彼にとって同級生のパンツ姿なんて見慣れたものだ。
 だがしかし、スカートを下ろされてお尻を突き出している緑子の姿はあまりに卑猥に見えた。
 男子のものとは明らかに違うボリュームのあるお尻の張り。ピタリと密着した白いパンツ。そこから伸びるスラリとした細い足。
 こんなのは見慣れているはずなのに目の前にある光景はまるで違った。

「女子のパンツってこんなに股に食い込むんだ」
 一番前の席に座る男子がボソリとつぶやく。
 その男子とスカートを下ろしてお尻を突き出す緑子との距離はあまりに近い。
 手を伸ばせば届くのではないのかと思う位置に座る男子の言葉には生々しい説得力があった。

for / 2015年01月25日
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